自宅から農業!?姫路市の子供たちがアグリテックを駆使した未来の農業体験に挑戦

株式会社プロキッズは、AIやIoTなど本格的なプログラミング教育を子供たちに提供する会社で、小学生から高校生まで子供たちの成長を後押ししています。
この専門性を活かし、現在兵庫県姫路市と連携して、農業分野のIT人材育成を支援する「アグリテック体験プログラム(実証実験)」を実施しています。

農業就業者の高齢化という農業課題を解決する、未来の発明家を育てたい

姫路市の農業就業者の平均年齢は71歳、65歳以上の就業者が約83%と高齢化が進んでいます。
高齢化による後継者不足、農家数の減少、耕地利用の低下は日本の農業全体の未来を危ぶむ深刻な課題となっています。

人手不足という課題に対して、農業(Agriculture)と技術(Technology)を融合させた「アグリテック」がキーワードとなりました。
アグリテックとは、情報通信技術(ICT)や最新のテクノロジーを農業分野で活用し、生産性の向上や持続可能な農業を実現することを目指す取り組みです。

地域に根付く新たなアグリテックの担い手を育成しよう」と姫路市では2020年から農業分野のデジタル人材の育成に向けたプロジェクトが本格的にスタートしました。


アグリテック体験プログラムを担当している姫路市役所の井上さん(右)・栗山さん(左)

最先端のロボットを使った未来の農業体験を子供たちへ

姫路市では農業ロボットを活用した、親子向けの新しい農業体験プログラムを昨年より開催しています。
大きな特徴は、水やり・種まき・除草といった農作業の手間を「ファームボット」というロボットに行ってもらうことです。

パソコンやスマートフォンから簡単に操作でき、畑に設置しているWebカメラを活用すれば、自宅から遠隔操作で育成状況も確認できます。


パソコンでファームボットを動かし、種まきを実行中

参加者へのロボット操作方法のレクチャーは、私たちプロキッズがサポートを行いました。


「アグリテック体験プログラム」初回レクチャーの様子

参加親子がそれぞれ自分の畑にプログラムを設定できます。
毎朝5時に自動で水やりや、作物の種類に合わせて水やりの頻度や量をカスタマイズすることも可能です。


親子で相談して種まきや水やりのプログラミングに挑戦中

栽培期間中は、参加者はそれぞれ「ファームボット」を遠隔操作して農業を進めます。

「ファームボット」の公式の操作マニュアルは専門家向けで英語で書かれています。
そこで、子供たちにも理解しやすい教材をマイクロラーニングなどの手法を活用して作成しました。

さらに、ファームボットや農業についてわからないことがあれば、LINEを活用して気軽に質問することもできます。


ファームボットの操作やプログラミング方法を説明したオリジナル教材

遠隔操作で野菜を栽培、そして見事収穫!

3ヶ月のプログラムの最終成果発表会では、収穫までの様子や今後の計画などを子供たちがプレゼンテーションしてくれました。

作物の最適な成長条件に合わせて水やりのタイミングを変えたり、水を与える場所を調整したりするなど、
それぞれプログラミング面でも遠隔農業の工夫が感じられる内容が多くありました。

その一部をご紹介します。


植物の様子や今後の計画を発表します


栽培期間中から収穫の成果までが記された藤下さんの観察日記

<藤下さんの感想>
ファームボットが作業をしてくれるので週一回くらいしか畑に行きませんでした。
暑くて大変だったので、毎日畑作業をしている人はすごいなぁと思いました。

このプログラムが終わった後も家でキュウリやナスを育てたいです。
プログラミングは楽しくて、簡単にできて良かったです。この経験を通してこれからもプログラミングをやってみようと思いました。


笑顔があふれる矢部さん姉妹の収穫の様子

<矢部さんの感想>
おばあちゃんの農業をお手伝いして、自分もやってみたいと思い参加しました。

プログラミングは初めてなので楽しみでした。
植えたモロヘイヤが大きく育ちすぎてしまい、畑に行けないときもファームボットがぶつからないよう移動する座標を調節しました。

プログラミングを間違えるとファームボットが変な動きになるけど、何回も修正して試してみると思った通りの動きをするので、とても達成感がありました。
将来はプログラミングで動くロボットを作ってみたいです。

未来の農業を創る子供たちの育成

アグリテック体験プログラムは、子供たちにIT技術を駆使した新しい農業体験のきっかけを提供しています。
参加してくれた子供たちにとって、この経験が農業やITに興味をもつきっかけに繋がると嬉しいです。

今後もプロキッズは、姫路市と共に日本の農業の課題を新しいアプローチで解決できるような人材育成に取り組んでいきます。


プログラム終了時には姫路市長から表彰状をいただきました

ご参考)

■主催・運営:
<株式会社プロキッズ>
所在地:東京都台東区台東1-4-12 BKビル5F
代表取締役社長:原 正幸
URL:https://prokids.jp/

<兵庫県姫路市>
市役所所在地:〒670-8501 兵庫県姫路市安田4-1
窓口: 産業局 農林水産部 農政総務課
URL:https://www.city.himeji.lg.jp/