大学入学共通テスト「情報」第1問の問1を解説してみた

2021/09/13 お知らせ 記事

こんにちは!インターン生の東海林です!

大学入学共通テストで2025年に開始される教科「情報」。
前回の記事ではサンプル問題の第2問をPythonで解きました。
今回は第一問を解くために必要な知識・用語を解説していくシリーズを開始します!

1-1問:通信方式に関する問題

大学入試センター「情報」のサンプル問題はこちら

第1-1問は、
・インターネットの仕組み
・インターネットを介したサービスの形態
など幅広い知識を問う問題です。

特に問われたのは、データ通信方式の種類とその仕組みについてです。

データ通信方式の種類とその仕組み

問1では、震災の際に、固定電話に代わってソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が利用されたことについて述べられていました。
実際の事例が使われており、興味深い問題です。

では、震災の時にSNSはどのように使われて行ったのかをチェックしていきましょう。

 

SNSでリアルタイムで情報が発信、収集できることを活かした利用方法ですね。

ここで1つ疑問があります。
なぜ固定電話は繋がりにくかったのに、SNSでの情報発信はできたのでしょう?

その答えは、固定電話とSNSなどインターネットを利用したサービスは情報を伝える方法が違うからなのです。

固定電話などで使われる回線交換方式

情報は電話やインターネットを使って伝えるときは、「通信回線」という道を通ります。
しかし、電話とインターネットでは情報を送る方式が異なります。

 

では、電話回線はどのように通信を行うのでしょうか?

ここで登場するのが交換機です。
交換機によって回線と回線が繋がれ、多くの端末と情報のやり取りができます。

少し難しいので、理解のために情報の運搬を水の運搬に置き換えてわかりやすくしましょう。

ホースで水を運搬して相手のケースに水を届ける場合です。
交換機はホース同士を繋いでいる部分だと思ってください。

 

 

1対1のやり取りはホースが繋がっている間は安定的に水を送ることができます。
しかし、それ以外の人とはホースを繋げないので水を運ぶことができません。

このホースで例えた方法のことを回線交換方式といい、回線交換方式で使われています。
この方法は1対1で通信回線を占有して情報を伝えます。

インターネット回線などで使われるパケット交換方式

次にバケツリレーで水を運搬する場合です。

どちらの水槽からも水が運べています。

ホースで送信する場合に比べると、タイミングが合わず送れない場合も発生してしまうことがあります。
しかし、少しの時間待てば水を送ることができます。

このようなバケツリレーの方法をパケット交換方式といいます。
パケット交換方式は情報を小分けにして伝えるので1対多でやり取りができます。
パケット交換方式はインターネットで使われています。

 

通信方式の違いが災害時の繋がりやすさの違いを生んだ

ここまでで、初めに質問した「なぜ固定電話は繋がりにくかったのに、SNSでの情報発信はできたのか」の答えがわかりましたか?

SNSはインターネット回線を使っていたため、通信路が途中で切れても他の経路から送ることができました。
その結果、多くの人が一斉に通信をする災害時でもSNSでの情報発信は可能だったのです。

今後もシリーズ記事として解説していくので、次回もお楽しみに!