文科省発表の小学校でのプログラミング教育の在り方のまとめ

2016/06/19 お知らせ 記事

文科省の発表の目的は?


 

文部科学省より2016年6月16日に「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方」について、議論の取りまとめがでました。

これは、今後のプログラミング教育の導入に向けて、プログラミング教育への適切な理解を目的として発表されたものです。

今回はポイントをまとめていきます。

 

プログラミング教育の役割


 

人工知能(AI)が発展していくと、今の仕事の半分が変わっていくという予測があります。

大量の情報から規則性を見出し、未知のデータに当てはめていくことができれば、人の仕事の多くを担うことができるかもしれません。

 

そんな中、人間に求められるのは、未来の社会をより良いものにするために考え、新たな価値を見出し、課題を解決していくことだと言われています。

そのような世界を作り上げていくスキルや資質を身につけるのが、これからの教育の役割です。

 

classroom

 

新たな価値を見出したり、課題を解決していくためには、情報技術を活用することが今より重要になります。

どのような処理の組合せが必要か、どのように組み合わせたらいいかを論理的に考えていく力として、「プログラミング的思考」が必要となります。

 

小学校の授業で何をするの?


 

小学校でのプログラミング教育の目的は、下記のようなものが挙げられます。

 

・プログラミング的思考を身に付ける

・プログラミングは身近な生活でコンピュータが活用されていることに気付く

・問題の解決には必要な手順があることに気付く

・コンピュータを自分の生活に生かそうとする態度を身に付ける

 

具体的には、「プログラミング」は各教科と融合して学んでいきます。

 

・総合的な学習の時間

情報に関する課題を探究する中で、自分の暮らしとプログラミングとの関係を考え、その良さに気づける学びを取り入れる

・理科

外が暗くなると自動で電気がつくなど、エネルギーを効率的に利用するために、様々な電気製品にプログラムが活用されていることに気付く

・算数

図の作成等において、プログラミングを体験しながら考え、プログラミング的思考と数学的な思考の関係に気付く

・音楽

ICTツールを活用しながら、音の長さ・高さを組み合わせて作品を作り、音楽を構成する考え方とプログラミング的思考との関係性に気づいたり、デジタルとアナログの違いに気づく

・図画工作

子供たちが材料の形や色、質感、性質などの特徴を捉えれられるよう、プログラミング教育を実施していく

・特別活動

既存のクラブにプログラミングを体験する学習を取り入れたり、プログラミングに関するクラブ活動を行う

 

 

子供たちが、日常にある便利さの裏側でどのような仕組みが機能しているか、プログラミング体験を通じて理解していきます。

プログラミング教育の導入に向けてICT環境、教材の全国整備などが急ピッチにすすめられています。

 

まとめ


 

小学校でプログラミング教育を導入する目的は、未来を生き抜くための「プログラミング的思考」の土台を身につけることです。

決して、プログラミングスキルを学ぶためではありません。

 

次回は「海外のプログラミング教育について」まとめたいと思います。

 

参考:2016年6月15日文部科学省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」