【全受賞作品公開】電子工作好き必見!たのしいmicro:bitコンテスト2020審査会@Maker Faire Tokyo
モノ作り大好き!Maker Faire Tokyo 2020が開催
今年もMaker Faire Tokyoが東京ビッグサイトで開催されました。
電子工作やロボットが大好きなお子さんや大人にはたまらないという、世界各地で行われている毎年恒例の楽しい巨大イベントです。
そのイベント中に電子工作ファンが集まる「たのしいmicro:bitコンテスト2020」が行われ、審査員として今年もプロキッズ代表の原が担当しました。
2020年はコロナの影響もあり、もしかして中止かもと思った人もいたと思いますが、入場者管理や検温など対策が講じられた上で無事開催されました。
肌で感じる例年通りの熱気
会場に入ってみると十分なスペースが取られていましたが、例年通りの熱気を感じました。
ちなみに下記の写真は開場直前で、出展者が最終確認に追われていたのでより熱気を感じたのかもしれません。
「たのしいmicro:bitコンテスト」の作品展示
micro:bitコンテストの会場の方へ向かうと発表者の作品が展示されていました。
動画でしか見たことがなかった作品ばかりだったので、やはり実物を見ると製作者の意気込みをより感じますね。今までわからなかったこだわりポイントも見えてきます。
そして、右側に写っているモニターで作品の説明動画か繰り返し流れていたので、作品のコンセプトなどが分かりやすかったです。
いよいよ審査会へ
今年の審査会は、会場とオンラインというハイブリッドでの審査会でした。
コロナ対策というだけでなく、地方の応募者が参加しやすい取り組みにもなっています。
改めて審査評価基準を確認すると下記の通りとなっています。
・着想がユニークであるかどうか
・ものづくりの楽しさを感じられるかどうか
・みんなを楽しませるものであるかどうか
・プレゼンテーションに工夫がなされているかどうか
そんな中で、見事一次審査を通過したのは下記の6つの作品です。
※リンクをクリックするとその作品の動画を見ることができます。
<Kids&Family部門>(小学生以下の子供+大人が対象)
・「おじいちゃんのお酒飲みすぎ防止システム」作者:mebumebu さん
・「ゲームクロック」作者:ストラットン有栖さん
・「眠気覚ましマトリョーシカ」作者:Tammyさん<一般部門>(中学生以上が対象)
・「micro:bit rader」作者:TKTK360さん
・「AIロボット まるおくん」作者:3D工房-SARUさん
・「はたらきネコのリンゴ収穫日記」作者:moki_256さん
それでは、各受賞作品の紹介です。
特別賞(3作品)
1.「眠気覚ましマトリョーシカ」作者:Tammyさん
審査員 矢島さん(乙女電芸部 部長、合同会社techika代表)
自分自身に向けたものづくりは、Makerの一番の原動力となるので自分を起こすというこちらの作品は素晴らしいアイデアでした。動画のなかでソーラン節が出てきたのも、他の人にはなかなか真似できないオリジナリティがあって素敵でした!
猫の口の中にスピーカーが入っていたりとか、箱のそれぞれがかわいくデコレーションされていたりとか、工作部分も楽しみながら制作した様子が見て取れました。ぜひ今後も自分自身のためのものづくりを続けてほしいです。
2.「micro:bit rader」作者:TKTK360さん
審査員 吉村さん(学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校 副校長))
自身の夢のデバイスを作るために素材の良さを生かしながらレーダーを作り、そのアプリ部分までしっかりと作りこんでいて大変すばらしいと思いました。素材の良さを生かした点は良かったのですが、レーダーのレーダー機能が色と向きだけになってしまったところもあり、方向や近さがより分かりやすいレーダーに近づけるべく、もっと改造できるところはあるかなと思いました。また、スマホと連携させていたというところを活かしてGPSを使い実際の屋外での紹介できるともっと良い発表にできそうです。
3. 「AIロボット まるおくん」作者:3D工房-SARUさん
審査員 矢島さん(乙女電芸部 部長、合同会社techika代表)
まるおくんはその見た目の愛らしさはもちろんですが、Alexaの拡張性によっていろいろな追加機能が期待できることが素晴らしいと思いました。また、制作の様子がnoteに細かく綴られていて、同じようなチャレンジをしたい方への背中を押す活動にもなっていると感じました。AIロボットと聞くと難しそうですが、プログラミングや工作を頑張ればこういったロボットが手に入るんだよ、ということが伝われば一家に一台まるおくんがいる未来も有り得そうですね!ぜひ今後も素敵な作品づくりとMakerを増やす活動を続けてください。
優秀賞
1. 「ゲームクロック」作者:ストラットン有栖さん
審査員 原(株式会社プロキッズ 代表取締役)
円状のLEDを上手く使って、時計としてもゲームとしても使うことができる面白いインタフェースの作品です。LEDの色も上手く使い分けていて、時針、分針、秒針を表現したり、色合わせゲームとして使ったりしていて、見た目にもカラフルで楽しいです。
装飾もデジタルの中に花などが描かれることで、自然とデジタルが上手く融合していてます。
2. 「はたらきネコのリンゴ収穫日記」作者:moki_256さん
審査員 原(株式会社プロキッズ 代表取締役)
ゲームを進ていくと実際にリンゴどんどん持たされることでゲームとしての難易度が上がっていくというユニークなアイディアです。
micro:bitだけでなく、レゴのマインドストーム、Scratchなど他のガジェットと組み合わせることでゲームとしての可能性を拡げています。
周りの人たちに実際にプレイしてもらって、アドバイスを求めるという姿勢も素晴らしく、完成度も高い作品です。
最優秀賞(1作品)
「おじいちゃんのお酒飲みすぎ防止システム」作者:mebumebu さん
審査員 吉村さん(学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校 副校長)
発表においても試行錯誤の過程や制作で工夫されている点、つまずいたポイントなどがしっかりと解説されていて素晴らしかったです。そしてなにより、このおじいちゃん飲み過ぎ防止システムは、家族のために作られているという点、加えて家族全員の力を使って制作に取り組んでいるという点が、楽しみながらも身の周りの自身や家族の問題を良くしようとするメイカーの精神をよく体現してたと思います。冷蔵庫の保冷性を改善するためにクーラーボックスを改造したいというアイディアに関してもぜひチャンレンジしてもらえればと思います。
審査員 原(株式会社プロキッズ 代表取締役)
おじいちゃんがお酒を飲むと椅子を揺らすという特徴を見事に利用して、飲み過ぎという問題を解決するという素晴らしい作品です。
おじいちゃんがお酒を飲むと椅子を揺らす特徴は、正直他の人に当てはまる特徴ではありません。しかし、自分のおじいちゃんという身近な課題の解決法を自分たちで分析し、自分なりの解決策を試行錯誤して、この作品を生み出しています。問題発見、問題解決を主体的に行、お酒を冷やすためのシートを貼り付けたりするなど作品の随所にこだわりが見られるこの作品は、Makerとしてマインドセットも感じました。
そしてなんと、箱のケースはおじいちゃんが制作し、プログラミングのサポートはお父さんが行い、子どもが作品作りを行うなど3世代が協力して作り上げています。
ものづくりの本質は楽しいかどうか
このコンテストが他のコンテストと一線を介するのは、技術力ではなく「楽しさ」を評価するところです。
楽しさはものづくりで最も重要なモチベーションを生み出すものであり、問題解決に突き進むためのエネルギー源もあります。
そのパワーがこれから日本が取り組むSTEAM教育には重要な要素であり、そのパワーを生み出せるようなコンテンツや教材を生み出していく必要があります。
これからもプロキッズはこれからもそんなコンテンツを生み出していきます!